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甲状腺検査についての新しい動き
2月13日13時30分より第37回県民健康調査検討委員会が開催され、その内容についての報道がNHK福島で『甲状腺学校検査反対で実態調査』として報じられました。はたして、検討委員会で論じられる中で一番関心が高い甲状腺がんについての話題です。
甲状腺学校検査反対で実態調査|NHK 福島県のニュース https://t.co/w3f9EPuGQI
— ふくしま30年プロジェクト (@info_fukushima) February 14, 2020
欠席した委員からの「学校で行う網羅的な甲状腺検査によって、手術の必要のない微小がんまで手術をしてしまう過剰診断につながっている」という意見書から、次年度中に学校関係者への聞き取り調査を開始して、学校内での甲状腺検査の実態調査をする流れが決まったそうです。
実際のところ、甲状腺検査は任意での検査となっていますが、各学校の養護教諭にかなりの負担をかけて行うことで、現在の受診率が確保されているそうです。例として、検査の同意書が期日内までに提出されなければ、再度、養護教諭が保護者に連絡を取って検査の有無を確認していると聞きます。そして、よくある話ですが、他人が甲状腺検査を受けさせているからうちの子どもも受けさせるという状態で、積極的に受けさせたいという保護者は決して多数派ではないようです。養護教諭の同意書の取り付けの働きが無くなれば、甲状腺検査の受診率はかなり下がるでしょう。
つまり、実態調査によって保護者が決して積極的に甲状腺検査を受けさせているわけではなく、周りに流されていることが多いということを浮き彫りにしたいのではないでしょうか。保護者が子どもたちになんとなく受けさせる甲状腺検査は、本当に福島県民に望まれているのか? 巨額の予算をかけた上に、過剰診断のリスクもある甲状腺検査は縮小を検討すべきではないかという筋に持っていくことが予想されます。
かつて、現場の執刀医である鈴木眞一教授を検討委員から外し大津留晶教授に引き継がせた時は、シナリオを変えずに役者を(それも大根役者に)挿げ替えたと思いました。そして、今回の学校の実態調査によって検査縮小に持っていこうと思える流れは、今年でオリンピックも終わることだし、そのために問題を直視せず引き延ばししてきたこの甲状腺検査も店じまいにする時期に来たとして、早速その準備が始まったように思えます。
最後に、福島医大で小児甲状腺がんの執刀を一人で行っていると言ってもいい鈴木眞一教授は、2月14日(金)に福島地方裁判所『子ども脱被ばく裁判第25回裁判』での証人尋問で出廷したそうです。その場での彼の発言は如何ようなものだったのか? それは、今後の県民健康調査検討委員会にどのような影響を及ぼすことになるのか? 裁判の前日に行われた検討委員会よりも興味深いと言えます。
×*欠席した委員
特定非営利活動法人 アワープラネット・ティービーの取材によると、この意見書を提出したのは津金昌一郎氏(国立がん研究センター 社会と健康研究センター長)とのことである。
×
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— ふくしま30年プロジェクト (@info_fukushima) February 14, 2020
×*証人尋問で出廷した
鈴木眞一教授からは、福島県立医大以外に、いわき市や会津若松市の病院でも甲状腺がんの手術を行ったとの証言があった。
福島医大教授「新たな集計外」法廷で証言〜小児甲状腺がん | OurPlanet-TV:特定非営利活動法人 アワープラネット・ティービー https://t.co/Ku4TSI2add #OurPlanetTV via @OurPlanetTV
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